20歳になると自治体から送られてくる子宮がん検診の受診券。 子宮がん検診は「子宮頸がん」を発見するための検診で、自覚症状がなくとも2年に1回定期的に受けることが推奨されています。 自費ではお金がかかるこの検診ですが、自治体の受診券を使用すると無料で受けることができます。 しかし、今までは「婦人科行くの怖い…」「内診するんだよね…?」という漠然とした不安感から、検診をスルーしてしまっていました。 (このような人、若い世代には意外と多いのではないでしょうか?) 今回は、重い腰を上げてようやく子宮がん検診を受けた私の体験談を皆さんに共有します。

検診って絶対受けないとダメ?

子宮頸がんの原因となるヒトパピロマーウイルス(HPV)への主な原因は性行為です。 なので、性交経験がない方は子宮がん検診を受ける必要はありません。 (性交経験がなくても子宮頸がんになる可能性はあるのですが、その場合は自治体の検診ではわからないのです) 逆にいえば、性交経験がある方は年齢にかかわらず子宮頸がんになる可能性があるので、検査を受ける必要があります。

気づかないうちにがんに…

症状がでてから検査にいけばいいのでは?という認識の方もいるかもしれませんが、そうではありません。 症状が出る段階の子宮頸がんはかなり進んだ状態となってしまっており、子宮摘出の手術を受ける可能性が高くなってしまいます。 正常な状態から進行したがん(浸潤がん)になるまでに、細胞に異常が現れている異形成(前がん病変)という過程があります。 この状態で発見して治療・手術をすることで浸潤がんになるのを防ぐことが重要で、そのためには定期的に検診を受けなければなりません。 「なぜ子宮がん検診を受けないといけないの?」「20代なら大丈夫なんじゃないの?」という問いの答えを詳しく知りたい方は、産婦人科医の宋美玄先生に不安や疑問をぶつけてきた記事をご参照ください。

早速予約してみたら…「今から来れますか?」

受診券を使用して子宮がん検診を受けるには、自治体指定の実施医療機関で検診を受ける必要があります。 同封の紙に一覧が載っているので、そちらを参照して受診先を探します。 私は、家から近く女性の先生がいる病院を選びました。 予約のため電話をすると、「本日、今からならすぐに受けられます」とのこと。 きゅ、急すぎる…! でも、勢いで終わらせてしまった方が楽かも。心の準備ができぬまま、さっそく病院へ向かいました。 私の場合、問診票はクリニックのものと自治体の子宮がん検診のためのもの、2種類を書きました。 問診票では最終月経や期間、周期や経血量、妊娠歴や手術歴、持病なども答えていきます。 問診票を提出後、しばらくして看護師さんと記載内容の確認をしました。 飲んでいる鎮痛剤や性交経験の有無など、問診票には書かれていない事項についても質問され、再び待合室に戻ります。 ここから少し待ち時間があり、その後診察室へ呼ばれました。 まず先生が、検診ではどのようなことをするのかという説明を丁寧にしてくれました。 検診が初めてであることを伝えると、「緊張しないで大丈夫ですよ」と優しく言ってくださり、少し緊張がほぐれました!

いざ、内診台へ

説明後、内診台へ案内されます。 内診台の横にあるカーテンで仕切られた場所で内診台に乗るための準備をします。 靴下やスカートは脱がなくて大丈夫ですが、ズボンやパンツなどの下着は脱ぐ必要があります。靴も脱ぎます。 私はロングスカートを履いていきましたが、こちらは脱ぐ必要がなかったので、恥ずかしくなくてよかったです! ここまで準備ができたら、いよいよ内診台へ。 東京都福祉保健局のポータルサイト「TOKYO#女子けんこう部」によると、それぞれの検査は以下のようなものです。 私の場合、内診台の上でまず初めに行ったのが視診と細胞診。 内診:膣の中に手を入れ、お腹を押したりすることで子宮や卵巣の大きさを確認します。 細胞診:専用の器具を使って子宮頸部の細胞をこすり取ります。採取した細胞は、顕微鏡で異常がないか確認をします。 クスコなどの器具を膣内に入れる際、先生から「力を抜いて〜」と言われました。 その通りに力を抜いていると、「あれ、思ったより痛くないかも…」と感じていましたが…。 クスコを中で広げられる瞬間がちょっと痛かったです。細胞をとられているという感覚もありました。 とはいえだんだん慣れてきましたし、跳び上がるような強い痛みではなく、じんわりと「痛いかも…」と感じる程度でした。 クスコほどの痛みはありませんが、こちらも最初に膣内に手が入るときは少しだけびっくりしました。 内診は痛みというよりは、内側からお腹を触られる違和感……。慣れていない私は、少しだけ気持ち悪さを感じましたが、一瞬でした。 ここまで頑張ったら、子宮がん検診は終わりです!検査時間は5分もかからないほどあっという間でした。

「エコー検査」もやるべき?

実は、内診台に乗る前に、先生にはオプションで「エコー検査」をすすめられていました。 追加料金がかかってしまうが、子宮筋腫など小さい異常が起きている場合、触るだけではわからないことがある――とのことで、私が行ったクリニックではこの検査もすすめているそうです。 その後、丸の内の森レディースクリニック院長の宋美玄先生に詳しく聞いたところ、エコー検査は通常の診察に比べてかなり情報量が多いのだそうです。 エコー検査をオプションでつけられるかどうかは病院によるかもしれませんが、もし聞かれた時は参考にしてみてください。 私が検診を受けた時は「突然言われても……」と迷い、その場では利点も詳しく理解できなかったのですが、せっかくだからと受けることにしました。 エコー検査は、子宮がん検診の内容が一通り終わった後の一番最後に追加する形。 検査に使うのは「プローブ」というこのような器具でした。 こちらも内部から器具を動かすので、少しだけ違和感を感じましたが、痛みは私の場合はゼロでした。 エコーの映像はリアルタイムで見せてもらえて、異常がないことを先生と一緒に確認できました。

油断してたら最後に痛かった

ここまで終えたら、今日の検診は終了です。 膣内の消毒をして内診台から降ります。が……不意に消毒の器具を膣内に入れられたため、油断しまくっていた私は結構痛みを感じました…。 なんなら今までのどの検査より痛かったです。子宮がん検診をこれから受けられる方は、最後まで油断しないようにするといいかもしれません…。 内診が終わったら、カーテンの内側で下着を履き、終了です。 検査後は出血の可能性があるため、小さめのおりものシートを看護師さんにいただきました。 病院によっては用意されていないところもあるかもしれないので、自分で持参して行くとより安心です。

無事に終了。検査結果は?

内診やエコー検査については、その場で異常がないことを確認してもらうことができますが、細胞診については結果は1〜2週間後に知らされます。 私の行ったクリニックでは、結果が判明してから再度クリニックを訪れて直接結果を聞く方法と、郵送で結果を送付してもらう方法の2種類を提示されました。 私は郵送で結果を受け取ることに。検査結果の紙と手紙がついていて、詳しく結果を知ることができました。 自治体の検診では陰性か陽性かが表示されます。 陽性の疑いがある場合は、さらに詳しく検査をする必要が出てきます。 陰性の場合でも、今後年1回の検診をすすめられます。継続して検査を受け続けることが大切です。

「自分の体と向き合うきっかけに」

結論としては、子宮がん検診を受けてよかったと思いました。 確かに、懸念していた痛みや内診台に乗る恥ずかしさはありました。 ですが、今回勇気を出して検診に行ったことで、婦人科への漠然とした不安感そのものが解消されましたし、なによりも自分の体と向き合うきっかけとなりました。 症状が出てから初めて病院に行くと、かなり進んだ状態となってしまっているという子宮頸がん。 HPVワクチンだけでは子宮頸がんを防ぐことはできません。ワクチンと定期的な検診を受けることがとても重要です。 「自分は大丈夫」「まだ若いし検査はいいや」と思うことなく、自分の体のために多くの人に受けてほしいです!

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